- 2006-05-05 (金) 22:49
- 雑記
顔を描くのが苦手である。
もちろんのこと、顔というのは人物を描く時、特にマンガなんかでは最重要項目の1つであり、直感的に描きたいと思う部位ではあると思う。
それはわたしも変わらない。落書きをしてもつい、顔だけ、目だけ描いていることも多い。
しかし苦手である。
もっと言えば、複雑な間接の動きをした全身図なんて結構難しく、未熟なわたしは描き上がるまでに物凄い時間を要する。
描き上がった結果、パースガタボロ、骨はボキボキな絵だったりすることも度々ある。
まあ鍛錬の足りない者でして。ワザの磨きが甘い者でして。
言うほど上手くはないんだ、わたくしなんぞ。
それでも顔を描くのが苦手だなと感じている。
苦手というか、嫌だなぁという気持ちを持っていることもしばしばである。
顔の中身を描いているときの、あのモヤモヤした気分はなんとも表現しがたいっていうかなんていうか。
特に、目を描いているときが一番気持ちが悪いのである。
普通は目なんて一番描きやすくて、もっとも最初に表情を乗せたい部位なんではないかと思う。
下手くそで自分の絵が嫌いでも、マンネリ化したテンプレート的目を描いていても、目だけは綺麗に描ける人っていうのも多いと思う。
いつからそんなことを思ってるのかと思い返してみれば、そういえば中学生の頃にえんぴつデッサンした人物画を絵友達に見せたときも、わたしはそんなことを吐いていた。
「鼻や口はすきなんだけどね、目を描くのが難しいし苦手だよ」
友達は当然、目が一番描くのが好きと反対した。
もしかしたら『目が描きやすい』というのはこのときのやりとりが残って、私の中で思い込みとして残っているのかもしれない。
しかしこの友達のように、目が好きという人が少なからずいることは確かだ。
今日、実家で父と、絵について多少話をした。
(というか帰るたびに絵の話ばかりしているんだが。w)
父は美術の教師で、その前はグラフィックデザイナーをしていて、仕事が忙しくなる前は度々スケッチ旅行に出かけたりグループ展を開いたりするアートな人だった。
今は仕事柄文章を書くことが多く、コラムのテーマ探しに必死になっているよう。絵描け。
その文章の1つに、『目は口ほどにものを言う』という言葉に触れたものがあった。
絵に絡めた話で、目は表情をとても表すので重要であるという始まりから、ならば目を閉じた人の表情は何処にあるのかという流れである。
父はそれを『眉である』と纏めていた。
この話は別に目を閉じていなくてもよくて、実は表情を作っているのは眉なんじゃないかということ。
よく『相手の目を見ろ』『目が笑っている』なんて言われ方をするけれど、目ばかり見ていると本当の表情が見えない、目も、眉も、その周りの筋肉も、顔も、髪も、腕も体も全てがその人間の表情を表しているんじゃないかということ。
目で嘘をついて眉が真実を語っているかもしれない。
いやむしろ、目が表情の拠点のように言われる昨今は、目で嘘をつく人は多いのかもしれない。
例えば面接の時に真っ直ぐ目を直視する人はちょっぴり危ういと思う。
笑顔が崩れない人も危険だと思う。そんな感じ。
一番表情を与えやすくて、嘘をつきやすい。そんな『目』が、わたしは嫌いなのかもしれない。
さて、嫌い嫌いと言っていても何一つ上達するものはないので、顔を描く練習でもするとします。
その前に躍動感溢れる顔のない体躯をいっぱい描きたいと思います。
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