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日本の妖怪魑魅魍魎マンガ
少年マンガにおいて悪魔妖怪魑魅魍魎は『退治する対象』となる場合が多いのですが、少女マンガの場合は男の子向けのそれよりも『妖怪との共存、お互いの存在を尊重する』というが強調されてるものが多いです。ドカーンバシーンやったぜ正義友情勝利!よりも、心理描写で感情移入加減を喚起するというのは、まあま、少女マンガですので。
百鬼夜行抄/今市子
百鬼夜行抄 (1)
現代の妖怪マンガと言ったらコレ!と真っ先にお勧めしたい作品は『百鬼夜行抄』ではないかと思われます。
妖怪と言っても水木氏+アニメ業界が作り上げたキャラクター路線の妖怪ではなく、『物の怪』としての妖怪が描写されています。名前のついた妖怪に加えて狐狗狸の類や、幽霊、人間の思いが妖魔となって現れる、古代から現代まで日本人の血に流れ続けたアニミズム的思考回路でお話は展開してゆきます。
ホラー系雑誌に連載されている事もあってお話や描写が少々怖い所もあります(←怖いの嫌い。が、そんな事より今市子先生の絵が大変美麗過ぎて、表紙を眺めているだけでも幽玄の世界を堪能できるため、非常に満足感溢れます。
パタリロ/魔夜峰央
パタリロ 80 (80)
言う迄もなく日本の妖怪マンガ家代表格のマヤせんせい。私の魑魅魍魎黒歴史は彼のマンガからはじまったと言っても過言ではありません。「パタリロ!」は誰もが知る代表作ですが、彼は元々このようなギャグマンガの専門作家ではなく、ゴシック耽美オカルトマンガ家でありました。パタリロの最初の方の巻の末尾には必ず数点の読みきりオカルトマンガが掲載されていて、これが御伽噺のように美しい。オヤジギャグなマヤ先生しか知らない方は是非お勧めしたいところです。
パタリロのほかに妖怪が出てくるマンガは沢山あって、「妖怪始末人トラウマ!!」「妖怪学園ザビエル」などのギャグものから「アスタロト」のような魔王様満載の悪魔好きにはたまらん作品なんかもあります。アスタロト永遠の未完となってますが、今の所一番のお気に入りです。続きが読みたいー。